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間抜けな自然科学批判 その4

zombiepart6さんの記事本文中の記述

循環しているモノの、一つのポイントを通過する量を累積して・・・そんな数字に、一体何の意味がある?


また、コメント欄の記述

草木を育てるのも、牛が飲むのも、人間がシャワーに使うのも、この循環構造の単なる一プロセスなんですよね。何を考えていれば、そのプロセスを通過する水量を累算するなどという発想に辿り着けるのか・・・全く理解不能です。



これらの戯れ言に対して、科学的な知識から批判するべきは次のようなことである。

一つのポイント(プロセス)を通過する量の累算は

①グローバルな水循環への影響を試算するために重要
②流域内の取水量管理のために重要



①の説明のために、水資源量(河川水)に対する取水量の割合として約10%、または降水量(河川水+蒸発散量に相当)に対する取水量の割合として4%という値を示したが、これだと情報が不足していてzombiepart6さんの主張を崩しきれない。

取水量の割合が何%であろうと、それが循環してまた戻ってくるのなら問題が生じないはずなのに、その割合ばかりクローズアップしてどうするんだ?という疑問が沸くかもしれない。例えば、使い終わったらまた河川水に戻って海に入り、水循環の中に組み込まれていくのなら、河川水に対する取水量の割合が4%であろうと40%であろうと問題にならないと考えて良いのだろうか?

次の図を見て考えて欲しい。河川水から汲み取った水はこの図でいうとどこに位置するかを。

水循環

「地球環境水文学」丸山利輔・三野徹(編) p3の掲載図



河川水の部分だけをピックアップして図示したとき、図Aのように考えるのは間違っている。図Bのように考えるのが正しい。

図A
図A


図B
図B



図Bのように、人間が水を利用すること(貯水、灌漑など)によって蒸発散量が増加するので、少なくとも流域の水の動き、特に流出量はかなり変動することがしられており、専門家ではなく一般人においてもその認識は共有されているだろうと勝手に推測しているが・・・・。そうでもないかな。

よく知られた事例としては、運河の建設や綿花栽培のための灌漑によってアムダリア川とシルダリア川からアラル海のへの水流入量が激減し、その面積が激減したことが挙げられる。また、アメリカ合衆国のコロラド川にできたフーバーダムも周辺の環境を著しく変えた事例としてよく話題に上る。
http://www.asyura2.com/0502/social1/msg/657.html

教科書的なことでいえば、世界の年間総取水量のうち、70%近くが農業用水として使われている。だから、食糧問題と水資源の問題は切っても切れない関係にあり、そこに人口問題などが絡んでくるわけだ。ということで、


世界の食糧事情や水問題の実情からも自然科学な根本常識からも経済的観点からも完全に逸脱した、非常に奇矯なイデオロギーですから



などといって、水消費原単位から導かれる仮想水という概念を批判するなど、世界の水問題に疎いからだといわざるを得ないのだ。

続きます。。。
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theme : 自然科学
genre : 学問・文化・芸術

tag : 自然科学タマネギ愛国者ギロニズム

comment

Secre

その5はまだですか?

この仮想水が導こうとしている先にあるものが、日本国そして輸入先各国の農業政策、日本が在る経済体制の中での食糧需要とその供給方法への警鐘だとして、この先生のHPや水関連のリンク先、農民連などの主張その他を読むにつけ、例えば、日本国の農業政策の抜本的修正・自給自足への考慮などとは別の方向へ行っていかれてしまう主張に『使われている』から、その論理が正しいとしてもオカシな事になってしまっているように感じました。
さて、続きの『その5』はまだですか、たのしみにしています、と煽ってみる(笑)。拝

面白そうな話ですが

>日本国の農業政策の抜本的修正・自給自足への考慮などとは別の方向へ行っていかれてしまう主張に『使われている』から、その論理が正しいとしてもオカシな事になってしまっているように感じました。

オカシな事とは具体的にどういうことでしょうか?
東南さんのお考え、もしくはおかしいと思われる主張が載ったページの場所など教えてくださると嬉しいです。農民連関係とか。

記事の続きですが、基本的に自然科学批判についての話に限定しようかと思っています。自然科学の知見を正しく理解した上で政治的な話が為されることを望むというのが今回の動機ですから、件の概念の使われ方の問題にまで言及するかどうかは未定です。そこまで踏み込んだ方がいいですか?って東南さんに聞くことではありませんが。

私のブログの方で日本の農業というトピックを少しずつ、 勉強しながらあげていきます。その中でこの件にその都度、触れていこうと思っています、と自分のブログの宣伝をしております(爆)。
私的には踏むこむべき、というかそちらの方が興味ありますね。食い物あっての人生ですから。拝

では

そのトピックに関連した記事があがったらお知らせ下さい。楽しみにしています。

農業関連のトピックは面白いですよね。
農業は自然を開発して人間のための生産活動を行う営みですが、最近農学部に進学する学生はむしろ「環境」というキーワードに興味があるようです。「生産」こそ農学だろうが、と言ってやりたいですが。。教員と学生の向いている方向が違っていたりして、面白いというか、悲しいというか。

まあ、とにかく

>現時点で行われている農業で使用されている水の量の多寡というのは、問題点じゃなかろう。

これは明らかなる間違いですね。
そして、

>そこを問題にしたら「農業は水を大量に使うから止めろ」って話になるしかないだろ?

そんな話にはなりませんね。なんのために農学があるねん!大量に必要だからそれを持続可能な形でいかに確保するかということを考えましょうよ、となるんです。

更新チェックしていませんでした。すみません。
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だんだんだれてきましたね

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